(一財)日本不動産研究所(JREI)は28日、9回目の「国際不動産価格賃料指数」(2017年10月現在)の調査結果を発表した。
国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため、同研究所の不動産鑑定士が評価した価格・賃料を指数化したもの。対象は、東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドンの14都市で、1都市当たり6物件(オフィス3物件、マンション3物件)。価格時点(各年4月1日、10月1日)において、対象物件の新築・新規契約を前提とした1平方メートル当たりの価格・賃料を指数化した。
オフィス価格の上昇率が最も高かったのは、「香港」のプラス6.5%。次いで「大阪」がプラス4.8%、「バンコク」がプラス3.5%だった。「東京」は、プラス3.1%で5番目。香港は中国本土からの旺盛な投資需要がある一方、供給が限定的なことから、市場予想を上回る高額取引も出現している。また、「大阪」「東京」は、日銀の金融緩和策などを背景に利回りの低下が続いており、それが価格上昇に影響した。
オフィス賃料の変動率が最も高かったのも「香港」で、プラス2.3%。「大阪」がプラス1.6%で2番目、3番目は「ホーチミン」でプラス1.2%。「東京」はそれらに次いで4番目となるプラス0.8%だった。もっとも下落率が大きかったのは「ジャカルタ」でマイナス2.2%だった。
マンション価格と賃料でも「香港」が最も高かった。マンション価格は「香港」がプラス5.2%、「ソウル」がプラス3.1%、「ホーチミン」がプラス1.8%。「大阪」はプラス0.9%で7番目、「東京」はプラス0.6%で8番目だった。マンション賃料は、「香港」がプラス3.1%、「上海」がプラス2.1%、「ホーチミン」がプラス1.0%。「東京」はプラス0.9%で4番目、「大阪」はプラス0.1%で9番目だった。
東京の丸の内・大手町地区に所在する最上位オフィスの価格を100とした場合の各都市の都心地区に所在する最上位オフィスの価格水準は、「香港」が179.4でトップ。以下、「ロンドン」が64.6、「台北」が57.7と続いた。賃料水準は、「香港」が182.0、「ロンドン」が118.0、「ニューヨーク」が96.8となった。
不動産価格と賃料、上昇率トップは「香港」
引用元:
athome.co.jp